花火
シャッター音がなりフラッシュで光る度海斗はキラキラしていた。
お兄ちゃんなのに、うっとりしてしまった。
「海斗さん、すごいでしょ」
横にいたマネージャーさんが声かけてきた。
「兄は…こんなにキラキラしてるんですね」
「海外で通じるだけあるでしょ、彼は私の誇りですよ」
マネージャーの顔はキラキラしていた。
この人に海斗を任せられる。そうおもえた。
撮影がおわり疲れた顔をした海斗と夜の街を歩いた。2人で並んで歩くのは何年ぶりだろうと思うくらい。。
「花火ぃー腹減った。」
「ご飯たべいこっか」
マネージャーさんが気をきかしてあの紙袋たちを家まで運んでくれてスッと軽くなった気分だった。
「花火ここいこ!!」
いかにも海斗が好きそうなお店。
外観はスプレーで落書きされたみたいで中は洋楽がバンバンながれてて落ち着かない感じだった。
黒いソファに座り2人で昔のことを語りながら適当に注文した料理をもくもくとたべた。
「ここおいしかったね」
「俺が選んだだけあるわ」
支払いを海斗に任せ先に店をでた。
「花火……」
「仁……」
みたくなかった。
「仁くんだーれー?」
「喋んな、失せろ」
「はぁー?なにそれ」
「ちっ…ブスがガタガタぬかすな潰すぞ」
「いい気になってんじゃないわよ」
「お前…江崎さんとこで働いてるんだよな。そんで桐生さんの下だよな。」
「え、、」
「お前潰すのなんか簡単なんだよ」
横にいた綺麗な女性は私に睨みをきかさせ黙ってその場をあとにした。
江崎さんも桐生さんも昔仁がお世話になった暴走族の上の人だ。人当たりがいい仁は先輩からも後輩からも受けがよくみんな仁のことをすいていた。
「花火……」
「仁もう彼女できたんだね。」
「いや、あれはちが……」
「花火ー、かえっぞって…どちら様?」
店からでてきた海斗は仁をみるなり眉間にシワをよせた。
「お前こそ、彼氏できたんだな。しかもモデルの。」
「ちが……」
「おお、僕のことご存知で?それはそれは光栄です」
「なめてんの?」
「なめるもなにも、何か勘違いされてます?」
「あ?」
仁と海斗は睨みあい険悪な空気になった
「仁…私のお兄ちゃんだよ」
「え?」
「海斗…私の元彼だよ」
「え?」
2人はきょとんとした顔をしてみあわせた。
「あ、失礼しました、いつも花火にはお世話になってます。」
「ご丁寧に。花火こそお世話になったそうで。」
みてて笑いそうになった。
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