花火
「剛くん、忘れ物ない?」
「あ、大丈夫!ありがと。花ちゃん準備できた?」
「うん!」
「じゃあいこうか。」
その日は半年記念日だった。
両親が共働きでいったことがないとこだらけの私を剛くんはお休みをとって遊びにつれてってくれた。
泣いて台無しにしてしまった水族館。
いってみたかったテーマパーク。
買い物といってショッピングモール。
夜は高そうなレストラン。
背伸びした気分だった。
「剛くん、私の名前しってる?」
「え?花ちゃんじゃないの?」
「私、高橋花火ってゆうの」
「え?そうなの?」
「ごめんね黙ってて」
「いや、呼びようによっては花ちゃんだし、おしえてくれて嬉しいよ。これからは花火ってよんでいい?」
「もちろん」
「花火…実は俺も言わなきゃならないことがある。」
「え、なに?」
「花火はいつも俺のこと、つよしくんつよしくんってよんでくれてたけどごうって読むの。」
「えぇ!ごめんね!」
「いや、読み方次第ではあってるよ」
「ふふ、なんか嬉しい」
「え?」
「ごう」
「ん?」
「よろしくね」
「こちらこそ、花火」
家についたのは23時をまわっていた。
エレベーターのときから話さなくて、玄関の鍵をしめた瞬間から熱いキスがはじまった。
「ごう…くん」
「花火…」
荷物を床に置き続けられる熱いキス。
お姫様抱っこをされてベッドに向かった。
「花火…いい?」
「ちゅ…ふふ」
剛は首筋を伝い胸にいき全身をなめた。
全身が性感帯みたい。どこを触られても感じれた。
「ごう…くん…んっ…」
激しく打ち付けられる腰。
痛いほど感じた。
「だめ…ごうくん…やっ…いっ…」
身体がビクビクする。頭がふわっとしてそのまま続けられる動きがさっきよりもより一層強く感じた。声を我慢することなんて、できなくなった。
「あぁ…んっ…ごうくん…だめ…」
こんなに感じたのは初めてだった。
ごうくんがいくまでに私は数回もいってしまった。
「ごうくん…ありがと」
「え?」
「私、初めていけた。」
「ほんとに?よかったあ」
ごうくんが私を抱きしめてくれた。
いつも通りの暖かくて安心する腕の中。より一層ごうくんを好きになれた。
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