氷の魔女とイチョウとモミジと探偵と怪盗
怪盗参上?
「名探偵!?」
スリサズは目をぱちくりさせてホーミィを見つめた。
「そーよ! 名探偵であるワタシの推理をもってすれば、怪盗セルアを捕まえるのなんてちょちょいのちょいよ!」
「おおっ!!」
スリサズが目をキラキラさせる。
「ふっふっふ。ワタシの推理を見てなさい!」
そして何を始めるかと思いきや、ホーミィは手に持ったステッキをおもむろに地面に立てて、手を放した。
ぱたり。
ステッキが倒れる。
「謎は解けたわ! セルアはこっちよ!」
そしてホーミィは、ステッキが倒れた方向へと走り出した。
「…それのどこが推理よ?」
スリサズは目をジト~っとさせて、自称名探偵の後ろ姿がイチョウの木々の向こうに消えていくのを見送った。
崖の上からは犬と男女の楽しげな声が聞こえてくる。
スリサズは、別に心配されたいわけではないが、何だかおもしろくない気持ちになった。
(ロゼルが声を出して笑うのって珍しいのよね)
足元の落ち葉を意味なく蹴散らす。
(まあ、ロゼルは子供の頃から犬が好きだったからね)
金髪やツインテールが好きだったかは記憶にない。
ただ、ロゼルが本物の剣を手にする前、木の枝を振り回して稽古をしていた頃は、今よりも良く笑っていたのは覚えている。
スリサズとも良く遊んでくれた。
スリサズは目をぱちくりさせてホーミィを見つめた。
「そーよ! 名探偵であるワタシの推理をもってすれば、怪盗セルアを捕まえるのなんてちょちょいのちょいよ!」
「おおっ!!」
スリサズが目をキラキラさせる。
「ふっふっふ。ワタシの推理を見てなさい!」
そして何を始めるかと思いきや、ホーミィは手に持ったステッキをおもむろに地面に立てて、手を放した。
ぱたり。
ステッキが倒れる。
「謎は解けたわ! セルアはこっちよ!」
そしてホーミィは、ステッキが倒れた方向へと走り出した。
「…それのどこが推理よ?」
スリサズは目をジト~っとさせて、自称名探偵の後ろ姿がイチョウの木々の向こうに消えていくのを見送った。
崖の上からは犬と男女の楽しげな声が聞こえてくる。
スリサズは、別に心配されたいわけではないが、何だかおもしろくない気持ちになった。
(ロゼルが声を出して笑うのって珍しいのよね)
足元の落ち葉を意味なく蹴散らす。
(まあ、ロゼルは子供の頃から犬が好きだったからね)
金髪やツインテールが好きだったかは記憶にない。
ただ、ロゼルが本物の剣を手にする前、木の枝を振り回して稽古をしていた頃は、今よりも良く笑っていたのは覚えている。
スリサズとも良く遊んでくれた。