キミとゆびきり〜涙の約束〜
「え、何……」

「待ってた。水木のこと」

「っ」


日誌書いてるの邪魔したくなかったから。
だから内緒で待ってた。

そう言いながら、
一歩一歩近づいてくる。


グッと鞄の紐を握る手に
力が入って、

すぐに教室から出ないとって
思うのに……


身体が動いてくれない。


そして、

あっという間に日向くんは
私の目の前に居た。


「………」

「………」


訪れたのは沈黙で。

私は顔を上げれず、
ただ下を向いていた。
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