キミとゆびきり〜涙の約束〜
「…俺、何かを忘れてる気がする」

「!」

「なぁ、俺は何を忘れてるの?」

「っ」

「カエデの葉と、関係があること?」


カエデの葉。

その言葉に私は目を開いて
思わず下を向いた。


日向くんから、
そんな言葉が出てくるとは思わなくて。

ドキドキと全身が脈打つように
音が大きくなる。


日向くんは、
何かを思い出したの…?


私の戸惑いをよそに、
ボソボソと低い声が静かな教室に響いた。


「…カエデの葉を見ると、断片的に記憶を思い出すんだ」

「!」

「女の子が、震えた声で俺に返事をしてて、」

「…っ」

「胸が苦しくなる」



日向くんから発せられる言葉に
私の足が冷たくなっていく。

一気に手に冷や汗が滲んだ。
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