ヤンキーでも先輩が好きです。


「うわっ、あれ見てよ、あれ」


あたしの恋バナをさえぎって、美姫が言う。
そこにいたのは、例のあの人。


なんで二階にいるのかわからないけど、
いた。

名前は?あれ?クラスは?


あたしは、そう、例のあの人の
名前も知らなければ、
クラスさえ知らない。

だって、2年になって今日初めて見た人だもん。


「美姫、杏夢!あの人の名前知ってる?」


3年とは全く、縁のなかったあたしたちだけど、

もしかしたら、
と思って聞いてみたけど…。


2人ともただ大きく首を横に振るだけだった。


まぁ、そーなるよね。
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