シンデレラは硝子の靴を
レガメは地下一階から四階までの一部分が吹き抜けのように繋がっており、横に長い。
階を繋ぐエスカレーターからは、上から吊ってある大きなオブジェが良く見えるようになっている。
撮影やイベントの為の広いスペースが一階にはあって、ガラス張りの窓からは広大なグリーンが見える。
そんな屋外には、ベンチや休憩する場所が多数設けられていて、都心だというのに、まるで公園に来ているかのような錯覚に陥る。
とにかく緑の多い造りなのだ。
次に行われるこっちのセレモニーは、雨天でなければ屋外決行と予定されており、ご当地キャラとレガメのニューキャラクターが始まる前からふらふらりと歩き回っていた。
そんな訳で、沙耶と石垣が、中央広場と名の付く場所に到着した時点で、既に相当な人数の客達が集まってきていた。
「お前そこで見てろよ。終わったら直ぐに帰るから車呼んどけ。」
直前でぱっと放された手首に、沙耶は無意識に肩に入っていた力を抜く。
「あぁ、逃げれなかった…」
職務中社長を置いて、いや、社長から逃げようとしていた秘書なんて、最早秘書とは呼べないという事を、沙耶は自覚していない。
ただ、逃げたい理由はひとつじゃない。
まず、嫌い。
次に、殴ったから報復がちょっと怖い。
そして。
もしかしたらの思い出が、甦るのが辛い。
階を繋ぐエスカレーターからは、上から吊ってある大きなオブジェが良く見えるようになっている。
撮影やイベントの為の広いスペースが一階にはあって、ガラス張りの窓からは広大なグリーンが見える。
そんな屋外には、ベンチや休憩する場所が多数設けられていて、都心だというのに、まるで公園に来ているかのような錯覚に陥る。
とにかく緑の多い造りなのだ。
次に行われるこっちのセレモニーは、雨天でなければ屋外決行と予定されており、ご当地キャラとレガメのニューキャラクターが始まる前からふらふらりと歩き回っていた。
そんな訳で、沙耶と石垣が、中央広場と名の付く場所に到着した時点で、既に相当な人数の客達が集まってきていた。
「お前そこで見てろよ。終わったら直ぐに帰るから車呼んどけ。」
直前でぱっと放された手首に、沙耶は無意識に肩に入っていた力を抜く。
「あぁ、逃げれなかった…」
職務中社長を置いて、いや、社長から逃げようとしていた秘書なんて、最早秘書とは呼べないという事を、沙耶は自覚していない。
ただ、逃げたい理由はひとつじゃない。
まず、嫌い。
次に、殴ったから報復がちょっと怖い。
そして。
もしかしたらの思い出が、甦るのが辛い。