シンデレラは硝子の靴を
「あんたっ、さっきまで言ってたことと違うでしょーが!あっ、こらっ!」



鞄を持った駿は、沙耶が支えているドアの隙間からするりと外へ出て、坂月の後ろに隠れると、頭だけ出して姉を見つめた。



「いや、身内としては思ったけど、、世間一般から言って、やっぱり姉ちゃんを女として見る、なんて無理な話だから、仕方ないのかなってね。」



んべ、と舌を出してから、にやりと笑う駿。





「しゅ~ん~!!!!??」



「じゃ、いってきまーす!坂月さん、ごゆっくりー!!」



「え?!あ、はぁ。。いってらっしゃい。。」




姉の怒りのボルテージが上昇した所で、駿はダッシュで沙耶達の前から消えた。




「…あ、えっと…そんな訳で、、、あの、暫く自宅で安静になさってください。。。今日はこれから私が社長を起こしに行きますから私もこれで…」



黒くなり始めた沙耶の空気を読み取った坂月は、言いながら手に持っていた花束と菓子折りを押し付ける。



「…坂月さん…」



「はい…」



踵を返す前に、沙耶の低い声に掴まれ、坂月は恐る恐る返事をした。




「ちょっと…訊きたいことがあるんですけど-」

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