シンデレラは硝子の靴を


僕等の硝子の靴は、お互いの持つ記憶。




履くか履かないかは、シンデレラが決める。





僕が迎えに行くその時に。


君がもしも僕のことを忘れていたら。


僕が持つ硝子の靴を、君に見せてあげる。




少しずつでも良い。


僕のことを思い出して。


自分が硝子の靴の片方を持っていることを思い出して。




シンデレラと過ごした時間を、僕は絶対に忘れたりなんかしないよ。


そして君とした約束を必ず果たすよ。




だからどうか、もう片方の硝子の靴を失くさないで。



大切に持っていて。



君がどこで何をしていても。



僕は絶対に見つけ出すから。



そして。



君の前に跪いて、硝子の靴を―。


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