シンデレラは硝子の靴を
「―返事はまだいいと…」
遮ろうとした坂月に沙耶は首を振った。
「良くないんです。坂月さん…教えてください。。これから、、何をしようとしてるんですか?」
今度こそ、坂月は完全に言葉を失う。
「どうして、、石垣と敵同士になっちゃうんですか…?」
沙耶の目が、悲しげに揺らぐ。
何かを知っているかのように。
「それは…今は、言えません。」
沙耶の視線から逃げるように、顔を背けると。
「これ…」
沙耶が何かをテーブルの上に差し出した。
「…?」
見ると、黒革の手帖だった。
「これが、どうしました?」
首を傾げると、沙耶はぺらぺらと頁を捲った。
「この、、まる鶴って所―」
それを聞いて、坂月はぎくりとした。
「幾つかあるんですけど…」
沙耶は指でその文字がある箇所をなぞっていく。