シンデレラは硝子の靴を
「―それから…レガメでの事故について、ですが…」





話だした沙耶の口調は、心なしか先程より弱々しかった。





「石垣に一般向けのセレモニーに顔を出すように指示を出したのが誰なのか、あの後確認してくれましたか?」





坂月は返事をしないまま、沙耶の次の言葉を待つ。





「あの時点で、、犯人が確定していたとするなら…あの、、あの事故は…」





「―そこまでで良いです。」





まだ痛む時があるだろう腕を、沙耶は無意識に押さえていた。






「すいません。。貴女にそこまで言わせて…」





坂月も心苦しくなって、頭を下げた。





「言いましたよね。私…いや、俺は…良い人なんかじゃないって。」






―いつか、こうなるってわかっていたのに。




「俺は、貴女を利用したんです。どんな手を使ってでも、諒からあの会社を奪う為に。」





だから、離れたかったのに。


どうして、見つかったの。


どうして、君を見つけてしまったの。


どうして、欲しいと願ってしまったんだろう。



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