毒舌同士
「うわ、こんなんもわかんないの?
さすがだね、低脳ちゃん。
もう頭腐ってきてんじゃない?」
「…あんた全国の馬鹿を敵にまわしたね、今。」
こんな毒舌を言い合うようになったのは、あの舌打ちからそう日は経ってなかった。
わかったのは、実はこいつも毒舌だったこと。
毒舌を振れば毒舌で返してくる。
このやりとりは悪くなかった。
…というより、心地よかった。
そうして俺が、初めて『好き』を知ったのも、そんなに遠い日のことではなかった。