浮気彼氏から奪うオトコ。
○ 浮気彼氏 ○
学校のチャイムの音。
椅子から立ち上がる音。
そんな時に、あたしの横で、
違う音を出す。
それは椅子を蹴り飛ばした音だ。
「あぁー、だりっ」
授業が終わって、放課後。
このやる気0のオトコは、あたしの彼氏です。
「廣クン、しっかりしようよ」
「ったく、お前は真面目委員長だもんねー」
「嫌味言わないでよ!」
廣クンは昔はこんなんじゃ、なかったのに。
いつの間にか、嫌味ばかり言う人になっていた。
中学時代から付き合い始めて、もう5年半―…。
高校2年生になっても、同じクラスだったのに。
「そういうこと言うとさぁ…、違うオンナのとこに行って慰めてもらおーかな」
「っ…」
「ははっ、嘘だよ。バァーカ。
まぁ、放課後はいつもお前が先約なんだけどな?」
意地悪そうに微笑む。
平気で、浮気をしている彼氏で、別れなきゃって思うのにだらだらと付き合ってしまう。
「…何で?他の女の子のとこ行くの…?」
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