浮気彼氏から奪うオトコ。
―廣Story*
「何でこんなトコに呼び出すんだよ」
屋上は結構風が強い。
俺は先に話しかけてきたアイツを見た。
「何かどんどんイカつくなってねぇ?」
「あー、そうかァ?不良だしなぁ」
「秀、あんたさー。彼女出来たんなら、一途になれよ」
「それは廣もだろ?」
「俺はなってる」
「それで?話って?」
コイツが、功ってヤツの復讐相手なのか…?
俺の遠い親戚の、コイツが…?
疑いの眼差しを向けたまま、俺は打ち明けた。
「秀って…さ。過去に付き合ったオンナで、かのんってヤツ。
知ってる…か?」
知らないで欲しい。遠い親戚でも、俺にとっては兄貴のようなものだったから…。