浮気彼氏から奪うオトコ。
でもすぐに俺を見つめた。
「…何があったのか分からないけど。
廣クンは1人ぼっちじゃないよ」
「はぁ?」
「浮気ばっかだと思うけど…、頑張って」
―そんな悲しげ表情をすんなよ…。
どうすればいいのかわかんなくなる。
俺等は別れたのに、コイツはまだ優しい。
―かのんってオンナも、誰に対して優しいように。
妃鞠も同じなんだ…。
いつ失うか分からない。
いつ俺の目の前から消えるかわかんねぇ…のか。
「廣クン…?」
気づいたら妃鞠を抱きしめてしまった。
「…しばらくじっとしといて」
それしか言えなくて、そっと目を閉じていた。
―失うかよ。俺の何よりも大事なヤツを…。