浮気彼氏から奪うオトコ。

その場に座ろうとしたとき、蒼斗クンは何かを思いついたように、

あたしの腕を掴んでいた。



「やっぱあそこ行こう」

「え？」

「バイクに乗って」

「あ。うん」


学校…いいのかなぁ。

いや、ダメなんだろうけど……。


断ることもなく、そのままバイクに乗せてもらう。



「相変わらずカッコいいバイクだね」

「貰い物なんだけどね」

「でも…傷1つないよ？」


バイクを見ていると、蒼斗クンがあたしの手を握った。

それから蒼斗クンの腰に回すと、



「ちゃんと管理しているんだよ。掴まってて」



そしてバイクは大きな音とともに走り出した。

先生の怒鳴る声が聞こえて、後々が怖いと感じながら、ぎゅっと目を閉じていた。