浮気彼氏から奪うオトコ。
「何してんだよ?」
「え、えと…」
「ベンチに座ってたってことは…。
アイツに会うのが怖くて、逃げていたのか。
それとも…」
あたしをちらりと見て、
「誰かと会ってたとか?」
と言い当てた。
「…ちょっと自分でも、ごちゃごちゃになってて」
「てことは…」
廣クンは何かを察して、あたしの元に近寄った。
「あのオンナ生きてたのか?」
と尋ねた。
嘘をつけるはずもなく、小さく頷くと、廣クンはため息を零していた。
「あー…クソ」
「クソ?」
「妃鞠が見つけちまったら、全部終わりだろ…」
何の話か分からずに、小首を傾げる。