浮気彼氏から奪うオトコ。
顔をあげた廣クンは、あたしをまじまじと見つめてきた。
「な、何?」
「んー…、妃鞠ってほっぺ白いよな」
「女の子は皆そうだよ?」
「…ふぅん」
ぺたぺた触り始めたと思えば、その手が唇に触れていた。
「…約束してくれねぇか?」
「え…?」
「もし俺が…ちゃんとした男になって、妃鞠を誰よりも守るって…。
そんな男になったとき、お前から俺にキスしろよ」
「…」
―…今まで何度もしてきた期待。
もし廣クンが、あたしのコトを好きだとしたら―…。
「後1年待ってよ」
「何で1年も待たなきゃならねぇんだよ」
「…あたしだって、もう恋愛ばっかじゃ疲れたんだもん。
廣クンがちゃんとした男の人になるなら、あたしも頑張る。
お互いが変わることが出来たら…いいよ」