浮気彼氏から奪うオトコ。
次の日、屋上で蒼斗に渡すと、苦笑された。
ちょっぴりショックな気分になると。
「かのんって、努力家だね」
そう笑ってくれた。
そして蒼斗の唇が、私の頬に触れていた。
驚くと、そこには嬉しそうに微笑んでいる蒼斗がいて。
「かのんが欲しい。俺と付き合って欲しいんだ」
その言葉を言った彼は、照れくさそうにしていて。
今までで一番の幸せを感じていた。
涙が初めて流れていた。
でも泣く自分なんて、嫌に思えて。
何とか笑顔を見せた。
「私も蒼斗のこと大好きっ」
初めて地味な自分から、明るい自分へと変わりたいと思えた。