浮気彼氏から奪うオトコ。
仕方ないなぁ、なんて私は言ってキスをする。
蒼斗の頬は真っ赤で、その表情を隠すように何度もキスをしてくれた。
「かのんー週末さ。どこか美味しい店行かない?」
「ん。いいよ。私もバイト代入ったし」
「実はかのんに隠れてバイトしてたんだ、俺もね」
蒼斗は封筒をポケットから取り出した。
自慢げに言うときの蒼斗は、褒めて欲しいって意味。
だから私は勿論褒める。
「蒼斗、凄いよ!あんなにも長く続かない蒼斗が!」
「でしょ?俺だってやればできるんだよ」
初めて会った時の蒼斗は、無口かと勘違いしていたけど。
本当は甘えん坊さんなんだ。
それを知れて、嬉しく思う自分もいる。
「あぁ!だから最近一緒に帰ってくれなかったのか!」
言い当てると、蒼斗は申し訳なさそうに苦笑した。