浮気彼氏から奪うオトコ。
その封筒を私に渡してきた。
「デート、週末楽しみだね」
「で、デート」
「いつになったら慣れてくれるの?」
「なっなれないよ!蒼斗の彼女になれただけで嬉しいのに…。
デートなんて幸せすぎて…」
「ふ、かのんってば変な子。でもそういう素直なとこ、好きだよ」
「!!」
蒼斗のさらっと言うところ。
本当にずるい。
でも…、蒼斗のことがどんどん好きになっていく自分がいて。
「楽しみだね。デート」
へらっと笑うと、蒼斗だって照れる。
仕返しが出来て少しすっきりしていると、蒼斗が抱きしめてきた。
「あー…、かのん。そういうのずるい」
「ずるいのは、蒼斗のほうだから」
こうやって笑い合えるのも、本当に蒼斗だけだった。