浮気彼氏から奪うオトコ。
幸せってずっとは続かない。
そんなの嘘だと思っていた。
週末になり、デートを楽しんだ後、蒼斗の大好きな丘の上で話していた。
私が空に手をかざすクセは、蒼斗も不思議がっていた。
「何のクセなの?それ」
「あぁ。手をかざすヤツ?これね、星空にかざすと…」
綺麗な星が指先の間から見えて、今にも掴めそうだから。
何て言うと、蒼斗は真剣な表情で手をかざしていた。
「星。掴めないや」
「え!?掴めるものなの!!?」
あまりにも純粋すぎる蒼斗に、つい笑ってしまった。
それでも必死に星を掴もうとする蒼斗に、そっと寄り添っていた。
「重い?」
蒼斗の肩に頬を乗せていたから、ちょっと気になって聞くと、蒼斗は首を横に振っていた。
「全然」