浮気彼氏から奪うオトコ。
そのまま星に見とれてしまい、気づいたら8時をすぎていた。
「ごめんっ、気づかなくて」
蒼斗が慌てるのを見て、そっと腕を掴んでいた。
「まだ…離れたくないやぁ」
ワガママをつい言ってしまった。
でもそれだけじゃ止まらなくて、どんどん心の奥の本音が零れ落ちていく。
「家に帰れば、お母さんが…怒るし。
お姉ちゃんだってまた、私の物をとるから…」
きゅっと唇を噛み締めた。
自分の震えが、蒼斗にも伝わっている。
「…おいで。俺の家に」
そう言ってくれた蒼斗は、何かを決意したようだった。
「……そういうの、早く言ってよ。我慢することじゃないんだから」
少しだけ残念そうに言う蒼斗を見て、涙が溢れていた。
「…迷惑だと思ったんだぁ」