浮気彼氏から奪うオトコ。
「そんなわけないでしょ?俺は彼氏なんだよ?」
―彼氏って言ってくれて嬉しかった。
凄い幸せを感じていて、蒼斗だけは失いたくないって思った。
「…蒼斗ありがとう」
いつの日か、蒼斗が告白してくれたように、涙でぐしゃぐしゃの顔で笑った。
蒼斗の家には行き慣れているのに、お泊りは初めてだった。
お母さんにはメールで「友達の家に泊まる」とだけ言っておいた。
返信はないものの、きっと怒っているに違いない。
「お風呂どっちが先に入る?」
蒼斗がタオルとパジャマを用意してくれた。
私が悩んでいると、蒼斗が微笑んでいた。
「一緒に入っちゃう?」
「っへ、はは入るの!?」
「まぁ無理かぁ」
しゅんとする蒼斗を見て、私は必死に首を横に振る。