浮気彼氏から奪うオトコ。






功クンはそっと教室を出て行った。



「…浮気しないでよ」


「それは無理。


こんな俺でよければ、付き合ってやる。

無理だったとしても…、

別れないけどな」



「馬鹿……」




浮気をして、本当は別れたい。

だけどあたしは廣クンがずっと好きで、

だから離れることが出来ない。




その時、廣クンを諦めようとは思わなかった。

これから我慢していけば、それでいいと思った。





それから授業が始まった。

隣の席では、功クンが小さく寝息をたてて、

眠っていた。



もうすぐ夏がやってくる。


それなのに、どうして今年はこんなにも寒いんだか…。





「っクシュン…」





< 19 / 313 >

この作品をシェア

pagetop