浮気彼氏から奪うオトコ。
功クンはそっと教室を出て行った。
「…浮気しないでよ」
「それは無理。
こんな俺でよければ、付き合ってやる。
無理だったとしても…、
別れないけどな」
「馬鹿……」
浮気をして、本当は別れたい。
だけどあたしは廣クンがずっと好きで、
だから離れることが出来ない。
その時、廣クンを諦めようとは思わなかった。
これから我慢していけば、それでいいと思った。
それから授業が始まった。
隣の席では、功クンが小さく寝息をたてて、
眠っていた。
もうすぐ夏がやってくる。
それなのに、どうして今年はこんなにも寒いんだか…。
「っクシュン…」