浮気彼氏から奪うオトコ。
「後1年、俺を待たした分、今度はかのんが待っててくれる?
それまでにきちんと、気持ちを整理するから」
「…蒼斗」
「ごめんね。俺が弱くて」
「……蒼斗は悪くないよ」
「俺に会いに来てくれて…ありがとう」
私はその言葉を聞いて、泣きそうになった。
そっと病室から出ると涙がどっと溢れた。
「…蒼斗。私が今度は待つ番だね」
意を決して、蒼斗の病室から離れた。
この1年間の苦しみを、蒼斗にはさせたくない。
もう1度蒼斗のために出来ることを探そう。
そして強くなって、蒼斗に似合う人になろう―…。
久しぶりに見た蒼斗は、昔と変わらず、優しい面影を残していた―…。