浮気彼氏から奪うオトコ。





「バレバレなんだよ。俺と別れてから、妃鞠はずっと笑っていなかった。

でもあの男といるうちに、自然と笑えてただろ?」


「…そうだね」

「……こんなこと言いたくねぇけど、後悔はすんなよ」



廣クンはまた歩き出した。

あたしもその後ろをついて行く。



―…後悔。

後悔しないなら、蒼斗クンの傍にずっといたいって思いはある。

廣クンは勿論好き。

好きだけど―…、やっぱり気づきたくなかった。




かのんと蒼斗クンが2人きりになったことを聞いて、

もう誤魔化しようがないとわかっていた。




あたしはいつの間にか、廣クンより蒼斗クンが好きになっていたことを―…。




この恋には終わりがあるんだろうか。

―…終わりなんて、いつも背中合わせなのに…。


ぐるぐるした思いが、中々消えてくれなかった。

< 200 / 313 >

この作品をシェア

pagetop