浮気彼氏から奪うオトコ。
俺は苦笑して、妃鞠の額にデコピンした。
「いたっ」
「ったく。ひっでぇ顔」
俺の服で鼻水を拭ってやる。
「…ねぇ何で廣クンがいるの?」
「心配だから着いてきてやったんだよ」
「ここどこ…?」
「んあ?」
俺はふと周りを見渡すと、見慣れない景色が広がっていた。
「どこだろーな」
「…ヤバイね」
鼻を少しすすった妃鞠は、あたりをきょろきょろと見ていた。
俺も周りを見ていると、小さな店を見つけた。
「あそこ入ろうぜ」
「え、でもお金…」
「任せとけよ」
こんなにも泣いてるヤツを、歩き回すにはいかねぇしな…。