浮気彼氏から奪うオトコ。
それから照れるように、頬を手で隠していた。
あたしは苦笑するしかなくて、廣クンを見ると。
「おいおい…秀、アンタの今の彼女って」
「あ、あぁ…そうなんだよ」
「…大事にしろよ。あのオンナは、もう平気だと思うから」
「そうか…よかった」
あたしには分からない話をしていた。
柚希はあたしが見ていたメニュー本のページをめくった。
「あ。これ美味しいよ」
「本当だ。これにしようかな。廣クンは?」
「ん、俺はコーヒーでいいや」
廣クンは店員を呼んで、てきぱきと注文をしていた。
あたしは柚希が教えてくれた、ハチミツケーキを待つことにした。
「ていうかさ、妃鞠っ!功ってヤツの様子はどうなの?」
「あ…」
柚希はまだ、あたしと蒼斗クンが別れたの知らないんだ…。