浮気彼氏から奪うオトコ。
そしてゆっくりと口を動かした。
あたしは驚いて、呆然としてしまう。
「本気―…?」
「あぁ。本気」
玄関に置いてあった花が、ふと視界に入る。
「…ジャスミン」
「近所の人に貰ったんだよ」
1本抜き取った廣クンは、あたしの髪に絡ませた。
「アイツのお見舞いの時にも持っていたよな。
ジャスミンなんて好きだっけ?」
「…好きだよ。思い出があるんだ」
「そか…」
ふっと笑った廣クンは、あたしの手を握った。
「さっきのこと…、どう思う?」
「……どうって」
「オッケーしてくれる?」