浮気彼氏から奪うオトコ。
―柚希…?
もしかして、そこに柚希が…?
「俺は知らないですよ」
「…そうですか」
残念そうにした彼女を見て、あたしは咄嗟に聞いていた。
「あのっ…、その男って彼女とかいませんか?」
「え、えぇ。いると思うわ。でも…1人や2人ではないのよ…」
―あたしと秀って男が会ったのは、たったの1度だけ。
廣クンとカフェに行った時以来だ。
「家を…教えていただけませんか?」
「…私も着いて行くわ」
蒼斗クンを見ると、静かに頷いていた。
「蒼斗クン…後で全部話すから、着いてきてくれる?」
「当たり前でしょ?」