浮気彼氏から奪うオトコ。
あたしのところまで来ると、ぎゅっと抱きしめられた。
「俺が学校にいないからって、浮気はダメだよ?」
「そ、そんなのしないもん」
「柚希ちゃん、妃鞠ちゃんを守ってね?」
「へいへい。それよりも、うちの目の前でべたべたしないでよ…。
こっちはフリーなんだから」
残念そうに言って、頬をふくらませる柚希に、あたしは
「すぐに出来るよ、柚希なら!」
って応援した。
柚希は嬉しそうに頬を緩めていた。
「そうだよねぇ、うちもてるんだし。
もし出来なくても、1人じゃないんだから」
お腹をさする柚希を見て、蒼斗クンは唖然としていた。
「こ、高校生で子供…?」
「何よ。羨ましいの?」
「いやぁ、俺には無茶できないし。
それに妃鞠ちゃんはまだ先のお話なんだから」