浮気彼氏から奪うオトコ。
そんなこんなで笑いあっていると、夕暮れになっていた。
「じゃあ柚希、また明日ね」
「えぇ、じゃあね」
病室を閉めると、蒼斗クンが手を握った。
「やっと手を繋げれるね」
「柚希の前じゃあ出来ないもんね」
「じゃあ俺等の新しい家に帰りますかって…、
妃鞠ちゃん、荷物は?」
「あ!自分の家に忘れてた!」
「全く…」
病院を出ると、何故かそこにはお父さんがいた。
手にはあたしの荷物を持っている。
「あれ、お父さんっ!」
「妃鞠…。荷物を忘れるから届けようにも、どこにもいないし…。
学校にもいないと思ってたら、そこの男が学校に行かせてくれって…。
めちゃめちゃだよ」