浮気彼氏から奪うオトコ。
背伸びをしてから立ち上がると、美味しそうなご飯が見えた。
「あれ…」
「あぁ、ごめん。テーブルね、まだ届いてなくて」
ダンボールのテーブルって、本当にあるんだ…。
何て感心していると。
「気に入ったの?」
「うんっ、ダンボールの上で食べてみたかったんだぁ。
結構不安定だねぇ」
時々揺れるのを見て笑っていると。
「何だか妃鞠ちゃんって不思議すぎるんだけど」
「えぇ、どこが?」
「ダンボールで喜ぶ子なんて、滅多にいないよ…」
蒼斗クンはつぼにはまったのか、ずっと笑っていた。
あたしはむっとして、口を尖らせた。
「早く食べよ!遅刻しちゃうっ」
「それは俺が言ってた台詞でしょ」
「いいの、何でも」