浮気彼氏から奪うオトコ。
俺と柚希は、妃鞠の両親を連れて、式場に連れて行った。
急いでバスに乗り込むと、親父さんは愚痴を零し始めた。
「急すぎるんじゃないか…!?
まだ卒業もしていないのにっ」
「まぁまぁ、貴方。1年半も待ったのよ。いいじゃない」
「それも短すぎる!」
柚希は苦笑していた。
赤ん坊は静かに眠っている。
「妃鞠が結婚…それに、高校卒業後は主婦になるって…」
アイツらしいな、何て思いながら、窓の外を眺めた。
「なぁ廣」
「んー?」
親父さんは俺と柚希を見つめていた。
「今、幸せか?」
「そりゃあ、ね?」
俺が柚希を見れば、幸せそうに微笑んでいた。