浮気彼氏から奪うオトコ。





そのまま廣クンと柚希は、秀のところへ行っていた。


「妃鞠。飲み物取ってきたよ」

「ありがと」

「まだ俺等は18歳だから、お酒はダメだけど」

「18歳かぁ…」

「俺はもう19歳なんだけどね」

「今日はお誕生日だもんね。蒼斗」

「そそ。式を早めてくれてありがとう」


あたしは皆の賑わう姿を眺めながら呟いた。


「蒼斗にとって特別な日に、もう1つ思い出が作れたら素敵じゃない?」

「もう1つ?」

「蒼斗が生まれてきてくれたことだよ」

「…妃鞠」



「蒼斗ってば、泣き虫さんなんだから」

「泣いてないよ。こんなにも今、幸せなんだから」

「だね―…」




―蒼斗のお父さん、お母さん。見ていますか?

蒼斗を産んでくれて、本当にありがとう…。

あたし、蒼斗がいてくれたから、今凄く幸せを感じているんです―…。



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