浮気彼氏から奪うオトコ。
着替えを済ませて、身軽な服装になると。
「はぁ、やっぱり私服の方が落ち着くなぁ」
「だよね。でもウェディングドレスは、1度だけかぁ」
「どうだった?結婚式は」
「何か思っていたよりも、ずっと幸せを感じたよ」
「俺も」
手を繋ぐと、蒼斗はあたしを引っ張ってくれた。
「行こうか」
「うんっ」
バイクに乗ると、結婚式場が遠くなっていく。
「学校の先生とか来てくれたよね」
「まだ早いぞって怒られたけどね」
「ふふ、でも単位は取れてるんだし」
「妃鞠、勉強頑張ってたし」
自分の薬指を見ると、きらきら光るリングが見える。