浮気彼氏から奪うオトコ。
「でも確かに俺の彼女は、この世にいないって。
そう実感したのは、私生活だったんだ。
何気なく朝俺を起こして。
両親のいない俺の傍にいてくれた。
だけど……、彼女がいなくなってから、その当たり前は一瞬でなくなったんだ」
その後小さく「俺って馬鹿だよね」って聞こえた。
それ以上何も言わなくなった功クンを見て、
胸が痛めつけられる気分だった。
「あたしは……、浮気症の廣クンだと。
昔からわかっていたの。
でも…離れることなんて出来なかった。
どれほど嫌になっても、諦めようとは思わなかった」
馬鹿なのは、絶対にあたしのほうだよ。
廣クンは、今までに浮気を繰り返した。
家庭環境もいいはずなのに。
どうしてか一途にはなれないみたいで。
「きっと新しいモノが好きになっていくんだよ」