浮気彼氏から奪うオトコ。
「川って綺麗だよね。
漢字で見ても、バランスがいい」
「何?突然、難しい話しないでよー」
苦笑して言ったけど、案外ホンキで言っていたらしく。
少しだけふてくされた表情を浮かべていた。
「…妃鞠ちゃんは、彼のどこが好きなの?」
「んー…、根は誰よりも優しくて…。
いつだって駆けつけてくれるとこ」
「それは俺にだって出来るよ?
アイツをやめて、俺にしようよ。
絶対に幸せにするし…。
辛い思いはさせないよ」
まっすぐな視線を見て、一瞬で分かった。
ホンキであたしを好きでいるんだと。
「……ちょっと考えさせて」
「うん…いいよ」
無理して笑った功クンの表情は、凄く寂しそうだった。