浮気彼氏から奪うオトコ。
「あたしは…」
どうすればいいんだろう…。
浮気を重ねる彼にとって、あたしの存在はどうなのかな。
迷惑?
それとも…邪魔?
どんどん自己嫌悪していく。
「…おいっ!てめぇ、妃鞠に何か言っただろ!」
「おっと…ナイト様の登場かな。
じゃあ妃鞠ちゃん、返事はいつでもいい。
これはメアド。
連絡…待ってるから」
そのままバイクに乗って、走り去ってしまった。
呆然と見つめていると、不意にあたしの腕を掴んだ。
振り返ると、切なそうにあたしを見つめて。
ぐっと唇を噛み締めていた。
「……なんだよ。妃鞠…俺から離れちまうのか…?
俺から…逃げちゃうのかよ…?」
その言葉を聞いたとき、あたしはわかってしまった。
―やっぱりこの恋心には、嘘をつけないと…。