浮気彼氏から奪うオトコ。
小さく頷くと、廣クンが手を強く握り締めた。
「…綺麗な夜景見れる祭りが……今日なんだよ。
それで女たちに誘われて、断ってたんだけど」
「え……?」
放課後、女の子に呼ばれていたのは―…。
「……妃鞠とどうしても行きたかった」
―嘘…って言ってよ。
君の言葉は、信じたくても……。
嘘のように思っちゃうんだ…。
「信じられねぇのは、当たり前だよな。
ほら、行こうぜ」
無理して笑う廣クンを見て、
心がチクンと痛くなった。
でも平然と抱きしめあっていたり、
キスをしていたのは―…。
君が浮気をしたのは、本当なんだから。
―…君との恋は永遠には続かないんだと思う。
そうだったら、最後まで騙されてもいいのかも知れない…。