浮気彼氏から奪うオトコ。
「今日、本当に花火大会一緒に行ってくれるの?」
「え?どういう…」
その時ふと分かった気がした。
「あたしを、彼女と被せてたんだ?」
「えっ」
初めて功クンが驚いた表情を浮かべた。
―そっか…。
功クンはまだ、彼女が好きなんだ。
昔、約束を守ってくれなかった思い出があったのかも知れない。
「彼女と花火大会、行った事があるんでしょ?」
「はは、そこまで見抜くんだ」
「あたしも最近分かってきたんだ」
「妃鞠ちゃん、そんなに見抜いちゃダメだよ」
優しく功クンが、あたしの頭を撫でてくれた。
「それで、行ってくれる?」