浮気彼氏から奪うオトコ。
寝転んだまま、功クンは空に手をかざした。
あたしも涙を拭いながら、ジャンパーの上に寝転ぶ。
「夜空ってさ…綺麗だよね。
まるであの子が俺を見守ってるようで…、泣きそうにも見えて……」
―あの子…。
それは功クンの元カノ。
あたしも夜空を見上げると、廣クンが微笑みかけているような気がした。
「妃鞠ちゃんは言ったよね?永遠の恋はないって」
「え?あ、うん…」
ホンキで言ったわけじゃなかったけれど、
今更だったし、黙って頷いた。
「だったら俺等も…、お互いの傷を癒すために……寄り添い合おう?」
照れくさそうに功クンは、笑みを零していた。
あたしの頬に涙が伝った。
そして、功クンの指先が涙を拭っていた。