浮気彼氏から奪うオトコ。





そして俺は妃鞠から離れて、ようやく気持ちの大きさに気づいた。



アイツがいなきゃ俺は生きている意味がない気がして。

妃鞠の傍にいっつもいる、オンナに声をかけた。



「妃鞠って今日夏祭りに行くのか?」


俺と妃鞠が出会ってから数年後、妃鞠にとって大切な友人と出会った。

それが柚希だった。




「何で聞くのよ?あんたは来ないんでしょう?」

「…いいから教えろよ」

「嫌よ。絶対に。妃鞠を散々傷つけておいて、何様のつもり?

いい加減にしてあげなよ。妃鞠が好きなら離れてあげてよ」






俺は下唇をきゅっと噛み締めると、踵を返した。




「聞かなくていいんだ?」

「あぁ。行けばいいだけだからな」

「はぁ?もしいたらどうすんのよ?」



「そんときは―…、絶対に離したくねぇって思うだろ」





今度は絶対に…。
絶対に、妃鞠ただ1人を好きでいると誓って―…。




< 93 / 313 >

この作品をシェア

pagetop