浮気彼氏から奪うオトコ。
そして俺は妃鞠から離れて、ようやく気持ちの大きさに気づいた。
アイツがいなきゃ俺は生きている意味がない気がして。
妃鞠の傍にいっつもいる、オンナに声をかけた。
「妃鞠って今日夏祭りに行くのか?」
俺と妃鞠が出会ってから数年後、妃鞠にとって大切な友人と出会った。
それが柚希だった。
「何で聞くのよ?あんたは来ないんでしょう?」
「…いいから教えろよ」
「嫌よ。絶対に。妃鞠を散々傷つけておいて、何様のつもり?
いい加減にしてあげなよ。妃鞠が好きなら離れてあげてよ」
俺は下唇をきゅっと噛み締めると、踵を返した。
「聞かなくていいんだ?」
「あぁ。行けばいいだけだからな」
「はぁ?もしいたらどうすんのよ?」
「そんときは―…、絶対に離したくねぇって思うだろ」
今度は絶対に…。
絶対に、妃鞠ただ1人を好きでいると誓って―…。