浮気彼氏から奪うオトコ。
「愛してる」ただそれだけ。
ー妃鞠Story*
ケータイのアラームが、部屋の中で鳴り響く。
でも身体が重くて、中々起き上がれない。
「妃鞠ー?起きなさいよ」
「んー…何かだるくって……」
「昨日の夜遊びがいけないんじゃない?」
「あーそうだね…、って!お、お母さん!?」
「ただいま。妃鞠」
お母さんは月に3度、帰るか帰らないかくらいだった。
それに先月は忙しかったみたいで、顔を合わせることもほとんどなかった。
お父さんは海外で働いているから、家ではいつも1人。
せっかくお母さんが帰ってきたなら、頑張って学校に行かなくちゃ。
そう思って、布団から出ようとすると、お母さんが止めた。
「ダメよ。今日くらいは休みなさい?」
「でも……」
「今日はお母さん休みの日なの。1日家にいるから安心しなさいよ。
一応熱でも測っておいて」
「はぁい…」