龍乃一味のカオスな学園生活
普段ノエルがやっている仕事を、一つ一つ丁寧に説明する。

渋々聞いていた龍乃だが、ノエルの分かり易い説明に、コクコクと頷くようになってきた。

これまでノエルが代行でやってきた書類へのサインを書きながら。

「ノエルっちの父ちゃんとアタイの父ちゃんって、昔天神学園の『腹出し爆睡部』で一緒に拳法の稽古してたんだろっ？」

龍乃が言う。

「腹出し爆睡部？何それ？」

初めて聞く名前に、ノエルは目を丸くする。

昼寝をする部活だろうか。

「究極超人の母ちゃんの、龍娘先生が顧問してた中国拳法の部活だよ。今は夕城道場と合併しちゃったけど、昔は父ちゃん達が龍娘流を習ってたんだってさ」

「へぇ…」

流石、龍乃は龍太郎の娘だけあって、ノエルの知らない事も知っている。

過去のタイマントーナメントで、龍太郎とノエルの父である拓斗は同門対決した事もある。

結果は残念ながら拓斗の敗北に終わったが。

「今でも父ちゃん言ってるよ、『拓斗の拳は今まで戦った相手の中で一番痛かった』って。瑠璃先生の父ちゃんに斬られた胸板の傷と、ノエルっちの父ちゃんに受けた拳の痕は、いまだにアタイの父ちゃんの体に残ってるもん」

それを龍太郎は勲章のように、龍乃に見せてくれたのだという。

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