龍乃一味のカオスな学園生活
「……」

王手を取られているのに、龍太郎は翡翠の顔を見る。

「お前は知らんだろうがな、丹下。俺は臥龍とサシで話をした事がある。お前の体に宿った臥龍とな。随分昔の花見の時だったか」

「……」

「だから臥龍が表面化した時の『眼』は、お前よりもよく知っている。そして先程俺を覗き見ていたお前の娘の眼…臥龍の眼だった」

翡翠の言葉に、龍太郎呆然。

「何か思い当たる節は?」

「…ここ十年ほど…何か体の中から欠けたような感覚が…」

「今、龍乃は何歳だ?」

「中等部の3年…来年の春、高等部に進学する」

「時期的にも符合するな…」

翡翠は腕を組んだ。

「お前の嫁が龍乃を産んだ時に、臥龍も龍乃の身に宿った…とは考えられんか?」

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