龍乃一味のカオスな学園生活
「五重奏(クインテット)」

琴月流音無家独自の連続斬りを放つ刹那だが。

「狂想曲(カプリチオ)」

琥珀の気紛れな斬撃がこれを邪魔する。

「お嬢様!」

「刹那君は下がってなさい、僕がこの子を泣かすから」

しかしそうやって妨害している隙に。

「水浅葱(みずあさぎ)」

武の斬撃がさくらに襲い掛かる!

咄嗟に抜刀し、その斬撃を受け止めるさくら。

「ほぅ、俺の太刀を受けるか。いい刀だ」

「はいっ、"駄作"夜桜と申しますっ」

この刀は、さくらの父の龍之介が、めのうの愛刀『夜桜』を模して鍛えた作刀。

荒削りだが、頑丈さではめのうの本家夜桜に勝るとも劣らない。

臥龍の分裂体にして息子である龍之介が打った、いわば『龍の作った刀』。

そして臥龍の娘たるさくらも。

「失礼しますっ、薔薇乙女(ばらおとめ)」

突然の倒立からの片足回し蹴り『シャペウ・ジ・コウロ』、立ち上がって後ろを向きながら回転肘打ちをする『サイ・リウ・ラン』、更に身を翻しての横薙ぎから、背面部で体当たりし内部の勁と外部の打撃を同時に与える『鉄山靠(てつざんこう)』!

かつて龍之介が身に付けた多くの格闘術をそのまま受け継いでいた。

カポエイラ、ムエタイ、剣術、八極拳を織り交ぜた連続技に、武は吹き飛ばされざるを得ない。

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