龍乃一味のカオスな学園生活
鎮魂歌(レクイエム)もまた、音無家によって編み出された技。

本来は琴子の発案した『鞘打ちで脳震盪を起こさせての刀での斬首』という技だったのだが、新生琴月流に相応しくないという事で、久遠が逆の手順の技とし、刹那に伝授された。

鞘をも武器として多用する音無家特有の技だ。

「どうだ、さくらとやら。これでも軟弱か?」

「チッ…」

「刹那君ばかりいいとこ取ってさ」

武と琥珀がブツブツ文句を言う。

「お、お言葉ですが、三人がかりでさくらを打ちのめしたからと、いい気にならないで欲しいのです」

立ち上がろうにも立ち上がれないさくらは、負け惜しみのように言うが。

「見苦しいぞ、さくら」

窘めたのは龍乃だった。

いや、この声色は龍乃ではない。

「出た…」

一部始終を見ていた亜鳥が言う。

言い放ったのは、龍乃の肉体を借りた臥龍だった。

「失礼ですが、貴方は…?」

「貴様の父、龍之介の父親…つまり貴様から見れば祖父だな」

臥龍は最後に、不本意だがな、と付け足す。

「お祖父様!さくらの!」

まさかこんな所で、龍之介に聞かされていた伝説の臥龍に会えるとは思わなかったのか。

さくらは目を丸くする。

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