龍乃一味のカオスな学園生活
「父様、どうしてここにっ?まだ夕城の旦那様の瑠璃様と、奥様の鬼龍様は、種付けが終わっていません!今夜から急かしますので少々お待ちを!」

種付け言うな。

夕城流世継ぎの催促に来たのかと思ったらしいさくらは、慌てて釈明するが。

「そんなんほっときゃいい、あの助平な夕城宗主の息子だ、俺達が急かしてると分かりゃ、すぐに瑠璃も鬼龍と乳繰り合ってガキが出来るだろうよ」

相変わらず言い草が下品な龍之介。

人の子の親になったというのに、少しも成長していない。

「でしたら、何故天神学園にっ?さくらが不甲斐ない真似をしていないかどうかの監視でしょうかっ?」

龍之介の顔色を窺うさくら。

「それも違ぇよ」

食事を終え、爪楊枝でシーシーとかやりながら、龍之介はさくらを見る。

「幾らおめぇが俺とめのうの子だっつっても、ここは天神学園だ。一筋縄じゃいかねぇ。早速鼻っ柱叩き折られただろ?」

「う…」

早くも何もかも御見通しか。

言葉に詰まるさくら。

「ぎゃははっ、そうだろうな!結構結構!刀と同じだ、侍や武道家は、叩かれて鍛え上げられるんだ!」

龍之介は叱る事なく、さくらの背中をバシバシ叩いた。

< 175 / 852 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop